中国武術は数千年間もの歴史があり、その時代ごとの民衆に、求められる背景が異なり、改革や自然淘汰などを受けています。現代社会にも充分に活かせる中国武術の価値とについてです。
1.武術的健身価値
中国武術の一番の特色は身体活動による、健康増進効果が大きく、太極拳や気功、導引術などを含めれば、人生の中でとても長い時間において、意識的・自発的に行える特徴があり、近年ではスポーツ、フィットネスの運動としても、場所を選ばず器具を使わなくともできるという面でいえば、よりすぐれた体育運動です。
今後のフィットネス・ビジネスの面でもコストがかからず、ゆくゆくは今後の日本国内でも注目や関心が高まっていくことを期待します。
2.武術的技撃価値
武術も、一つの武技(攻防動作)の側面を持ち重要視しています。
特徴としては武術五元素とあり、徒手で行うものでは、突きや蹴りという技に、擒拿術という関節技、体当たり、投げ受け身技、の5種類に加えて、器械兵器による攻防技術を備えています。これは、主に実用武術と呼ばれ中国では政府も普及に力を入れ武装警察官や軍隊においては非常に重視して普及活動が行われています。
3.武術的観賞価値
今や武術は世界中に広まり、それぞれ文化的にアレンジされて生活の中に既に
溶け込んでいます。
体育的な側面から発する表現での「美意識」に注目し、文化的芸術の見る楽しさに、
その価値をおきます。これは、古くからあり、大道芸としてのルーツから、京劇などの舞台演技、映画のアクションシーン、競技武術としての取り組み、などがあげられます。ここで大切なのは、武術の持つ「武礼(礼儀、道徳)」の部分での意識が常に重視されている、
ということです。健身価値や技撃価値では主に「個人」の意識を重視しますが、
ここでは、互いに武術に取り組む者全体、そして鑑賞者にも向けられます。そこにあるものはそれぞれへの「敬意」の意です。競技武術の中には、近年キックボクシング技術に投げ技、相撲の要素を含んだ「散打」もあります。
4.武術的教育価値
武術では、武徳と謂われるように「道徳・倫理」教育の面をも持っています。
ここでは、海外からも評価の高い、日本の武士道:侍精神の原点にもなった儒家思想の「五常の精神」
仁:おもいやり 義:人の行う正しい道 礼:敬う心
智:知恵・工夫による集積知 信:人と人との信頼
などの、人としてのあるべき姿である、道徳教育が行われています。
5。武術的経済価値
どこの国でのスポーツ団体にも共通することですが、より広い地域へ体育運動を発展させていくことの、大事なものの一つに経済的な発展と促進が、重要になってきます。
ここでは、健康的で健全な精神と肉体の強度を上げるということと、一般人においても健康になって「労働力」を上げ、生産を上げるという、根本的な発展と楽しみを増産させる、ことがあげられます。
豊かな社会は経済的に恵まれていること、それぞれに満たされた中で発展する事が望まれます。
それぞれ武術の健身価値、観賞価値、教育価値はどれも高度な内容をもっています。
これからは21世紀型の「より効率よく効果を挙げるマネジメント能力」が、こういった武術価値に結びつけば、もっと、フィットネスクラブ、学校、健康福祉施設などの組織運営における、相乗効果が期待されます。