神奈川県気功太極拳倶楽部(神奈川県太極拳連合会)

中国武術研究院 横浜武術院 神奈川県気功太極拳倶楽部は、アフターコロナ時代に応対した活動を行っています。 「上海復旦大学武術協会 日本本部」として普及活動を展開しています。本格的な中国武術大会の「武術ジャパンカップ大会 伝統中国武術大会」を運営していました。お問い合わせは「横浜武術院HP 」www.yokohamabujutuin.sakura.ne.jp によろしくお願い致します。

ユネスコ:UNESCO 国際連合教育科学文化機関 認定 太極拳教程

コロナ騒動が猛威を振るう中での 2020年の12/18(金)日本経済新聞の記事で「ユネスコ:国際連合 教育科学文化機関」の委員会の会議で「日本伝統建築工匠の技」の世界無形文化遺産認定 そして同じく、続いて中国の太極拳フィンランドのサウナの認定が発表されました。

 

 

 

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ユネスコ国際連合教育科学文化機関、United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization U.N.E.S.C.O.)は、

ユネスコの”UN”は、United Nations:国際連合

”E”は、 Educational:教育。

”S”と”C”は Scientific and Cultural:科学と文化。

”O”は、Organization:機関、機構。

諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関。

 

www.mext.go.jp

 

ユネスコ憲章前文より) 【目的及び任務…憲章第1条参照】

ユネスコ憲章第1条(目的及び任務)

この機関の目的は、国際連合憲章が世界の諸人民に対して人種、性、言語又は宗教の差別なく確認している正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長するために教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによつて、平和及び安全に貢献することである。

 

この目的を実現するために、この機関(ユネスコ関連組織)は次のことを行う。

(a) 大衆通報(マス・コミュニケーション)のあらゆる方法を通じて諸国民が相互に知り且つ理解することを促進する仕事に協力すること並びにこの目的で言語及び表象による思想の自由な交流を促進するために必要な国際協定を勧告すること。

 

(b) 次のようにして一般の教育と、文化の普及とに新しい刺激を与えること。
 加盟国の要請によつて教育事業の発展のためにその国と協力すること。
 人種、性又は経済的若しくは社会的な差別にかかわらない教育の機会均等の理想を進めるために、諸国民の間における協力の関係をつくること。
自由の責任に対して世界の児童を準備させるのに最も適した教育方法を示唆すること。

 

(c) 次のようにして知識を維持し、増進し、且つ、普及すること。
 世界の遺産である図書、芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護を確保し、且つ、関係諸国民に対して必要な国際条約を勧告すること。
 教育、科学及び文化の分野で活動している人々の国際的交換並びに出版物、芸術的及び科学的に意義のある者その他の参考資料の交換を含む知的活動のすべての部門における諸国民の間の協力を奨励すること。

 

 いずれの国で作成された印刷物及び刊行物でもすべての国の人民が利用できるようにする国際協力の方法を発案すること。
この機関の加盟国の文化及び教育制度の独立、統一性及び実りの多い多様性を維持するために、この機関は、加盟国の国内管轄権に本質的に属する事項に干渉することを禁止される。

 

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SDGsエスディージーズ)」「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標。

 

miraimedia.asahi.com


横浜武術院の活動では

1、文化
2、科学
3、教育

を重視した活動スタイルで普及を行う。

 

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1、文化は、幅広い中国武術文化の中での「太極拳文化」に更に注目していきたい。

思想哲学

武芸
養生・体育

 

思想哲学

太極拳文化の起源と歴史

太極拳 導引術 五禽戯 養生延命録
気一元論(32P) 34P 太極拳陰陽五行思想(34P)
太極拳成立までのプロセス

 

武芸

武の意味
太極拳八法
一動全動 節節貫穿 一気貫通

 

養生・体育

先学礼、前学芸 先学徳 前学武


生命の尊さ、自分の心身の養生 理論と方法 

導引術的功用
調身、息、心
養生と体育の区別 
 

 

 

2、科学としては、同じユネスコ無形文化遺産に先に登録されている「二十四節季」と臓象学説 経絡学説。自然科学と人間科学としての研究理論。

 

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医科学、中国国内で太極拳文化で知っておきたい中国大陸での土地の特徴、ルーツとして黄河文明、毫州市、武当山河南省、北京、香港、上海。

現行で本場、中国大陸での連携する教育機関は、上海市復旦大学武術協会。

 

3、教育

思想哲学、道家 老荘思想を受けて、孔子論語を代表する儒家思想の教育手法を重視する。

 

〇思想哲学

 

太極拳は、とても多くの数ある「中国武術」の一拳種であり、その古典思想の「儒家思想」の規範性ある倫理道徳を遵守する姿勢があって「先学礼、前学芸 先学徳、前学武(芸を学ぶ前に礼儀を学べ、武功を学ぶ前に倫理道徳を学べ)」という意識がある。

こうしていくことで、五常の精神ともいわれる「仁義礼智信」を尊ぶことで、諸行において人間関係の秩序を良好に保つことを理想と考えて行っていく。

 

思想哲学の根幹となるのは老子荘子道家思想」の”無為”と”道法自然”

 

意境似水:心境と行いの様は、水に似ることを善しとする。

以柔克剛”柔らかきを以て、剛きを克す。

因勢利導:勢いに因りて、利が導かれる。

水滴石穿:水の一滴が岩のような丈夫な石さえも穿ち貫く。

 

 太極拳文化の起源と歴史

ja.wikipedia.org

 

上古時期、環境は劣悪であり、上下水道環境などもまだ整ってなく、医学も成立ばなく人々の生活の中でも寒気・暑気のピーク時候には体調不良者が激増していた時代。シャーマニズムが起こり、人々は舞を作り、体を動かそうとしていた、初期の導引按摩が生まれ、宣導気血:血流を動作で導き、流れを安定させる、ことを行っていた(儀式)

 

春秋戦国時代時期、導引術士の出現、養生功法の起こり、代表人物 彭祖、赤松子、王子橋など。養生の記述には「老子」「荘子

 

漢(西漢前漢 東漢後漢)時期、1973年中国湖南省長沙、前漢時代の遺跡、馬王堆漢墓から導引図も他の遺品と共に出土される。44種類の導引動作を行う様の描かれる図譜があり、導引術を行っていた資料となる。文献資料は「淮南子

 

後漢時代、三国志の魏書、後漢書などの書物に、初の成立した導引健身術、神医とも称された華侘の創始した「五禽戯」の記述が見られ、現在でも郷里の安徽省亳州市で伝承され現存している(第58代継承者 周金鐘)

 

魏晋南北朝、隋、資料整理時期 王朝が分裂し、各地域で伝承が広まり、道教養生法が起こり隆盛が見られた。
陶弘景の養生延命録、隋の巣元方の諸病源候論などが著述される。

 

唐宋時期、八段錦の流行が各地でみられる。八段錦は晃公武の著述、”群斊続書志”の中に「八段錦一巻、不題撰人、吐郷納新」とあり、後に四段錦、六段錦、十二段錦、十六段錦、二十四段錦なども出て来るが、これらはすべて八段錦からの系統である。

 

元代、張三豊が少林寺で武術を修めた後に武当山に入って修行し、道教の陰陽五行思想や吐納法と呼ばれる呼吸法を取り入れて編み出したとされている。但し、張三豊は中国の他の伝説にも現れる不老長寿の仙人の名前であり、この説については伝説の域を出ていない。

 

明清時期、易筋経、中国大陸内でも民間交易が盛んになり交通の利便性も高まり、人々の移動が大きくなる。
印刷技術の進歩があり、伝統導引の理論や技法が書物を通じて更に大きく広まり、達磨大師の教えから来る、仏家思想と医学に古代、道家思想、儒家思想も加わった健身術に発展をみせる。

 

近現代時期、太極拳の成立。中国伝統の導引技法、養生理論の集大成である”太極拳”が生まれる。一拳種では、一番多くの修練者が増え、今や世界各国で大きな普及と発展を見せ、2020年12月17日にユネスコ世界無形文化遺産に認定を受け登録された。

 

太極拳は清代から、大きく存在感が高まり、発祥の河南省陳家溝式から各流派が生まれ普及が大きく展開する。特徴は”活動手足、慣勤肢体”という。”太極拳”として確立する文化背景的には命名的な由来として古代思想哲学の「周易」から”易有太極、是生両儀”や周敦颐の「太極図説」の”無極而太極””太極本無極”の論説を取り込み、思考、技法共に こうした基礎の上に武術拳種の練功の中に伝統式吐納導引に、五禽戯八段錦、易筋経などの方法が取り込まれて成立したプロセスがある。   

 

 <太極拳の流派について>

太極拳中国武術の項目の中でも多くの人々に好まれて広まった拳術の一つです。
まず“太極”についてですが、これは中国の古代哲学の易経周易・系辞」の易有太極、是生両儀・・と続く思想がすべてに生かされている。


その意味は陰と陽に分かれたエネルギーが互いに補い合い、その力が「全ての生きとし、生けるものの万物」を生み出す本源としています。その大きな力を“太極”と呼び、この考え方を全てに応用している。

 

太極拳」の名称は中国、清の時代、乾隆年間(1736年~1796年)
山西省の人物である王宗岳の著書「太極拳論」があり、その「太極拳」の名を用いて多くの人々が普及させて太極拳は世に広まりました。


太極拳の成立についてはこの説以外にも「ルーツは武当山道教にあり」ともあり、そして多くの流派があり、主要な流派は陳式・楊式・武式・呉式・孫式などのスタイルが編み出されました。


1.陳氏(陳家)太極拳

「陳王廷 1600年~1680年」
各派の太極拳の源流であり、河南省陳家溝の陳一族の間に伝えられ、剛柔の要素を含み動作の全てに螺旋運動が行われます。
陳式太極拳の動作特徴は内在意識・運気活動である。
これは強調意識の主導の下で全身の螺旋運動を発し纏めていく技法を備える、頭頂を緩め、全身五肢がほどよくリラックスし螺旋した力が脊髄・脊椎を移動し拳脚に力を到達させる。
そのため陳式太極拳の技はゆっくりであり、時に素早く、力は柔らかく、時に力強くなる。ゆえに快慢、剛柔、開合、曲直のように相反し、相連不断、一気呵成が特徴。

 

2.楊式太極拳

「楊露禅 1799年~1872年」
河北省の楊露禅が陳長興より、陳式太極拳を学び改変したスタイル。
現在は三代:楊澄甫の編み出した柔らかな技能に重点を置かれ、年配の方々には行いやすいことで養生効果がある。
楊式太極拳の動作の特徴は姿勢は伸びやかでゆっくりと緩慢なリズムで繋がっていることが特徴。

3.全祐太極拳 呉式太極拳

「全 祐 1834年~1902年」
楊式太極拳創始者の子、楊班候の生徒である全祐の総編太極拳
2代目の養子に迎えた呉鑑泉が上海の精武体育会の教師となり、上海から香港を経て東南アジア方面には大きく広められた。

 

4.武式太極拳 郝式太極拳

「武禹襄 1812年1880年」「郝為真 1849年~1920年
陳式太極拳を学んだ武禹嚢が創出。

楊露禅の支援者であったとされる中国河北省永年の名家武一族の武禹襄が楊露禅に学んだ後に、陳長興に直接指導を仰いだが叶わず、河南省陳家溝の隣村の趙堡鎮に住む陳清萍の趙堡架式を学び、これにさらに創意工夫を加えて成立した。

 

著名だった郝為真の一族が「太極拳の故郷」永年の地以外で武式太極拳を広めたため「郝(かく)式」と呼ばれることもある。しかし郝為真の一族は武式と呼ぶ。

 

5.孫式太極拳

「孫禄堂 1861年~1933年」
郝為真の太極拳を学んだ孫禄堂が形意拳八卦掌を体得し3つの要素を取り込んで1つのスタイルが孫式太極拳の特徴。

 

6.和式太極拳
和兆元が陳清萍に学び創始した。陳家太極拳と異なり、発勁に激しい動作を伴わない。陳家太極拳の一派と見なされてきたが、近年、代表的伝統太極拳として認定された。

 

7.龍身蛇形太極拳

「龍身蛇形太極拳」は2013年に上海市浦東区非物質文化遺産(無形文化遺産)として認定登録された。

龍身蛇形太極拳技法の流伝は初代楊式太極拳創始の楊露禅から2代目楊班候の内在意識から来る身体操法を重視した楊式太極拳小架式を学んだ満州族の全祐の学んだ太極拳の技法が、呉監泉が受け継ぎ呉式太極拳が生まれ、呉監泉と同じく全祐に学んだ老架式太極拳の技法が同世代の上海市浦東地区の常遠亭に受け継がれ、常遠亭、その2代目常雲傑と伝承され、その技法は大架式に変化し、龍形太極拳と称されるようになり、その後に、その龍形太極拳の馬殿臣から瞿荣良へ伝承され、上海市武術協会の重鎮、王培锟、冯如龍との連携での総編を経て、今日の基本架、軟柔架、勁架となる龍身蛇形太極拳を創始し生粋の新しくあっても伝統ある「上海生まれの太極拳」とされ多く普及されています。

 

それぞれの太極拳は技の力の用い方や風格の面で雰囲気は異なりますが、動作の基本的な技術は共通しています。 特徴としてこれらの太極拳は、気持ちは穏やかな中に集中力を高め、姿勢は真直ぐでゆるやかさがあり、胸と背中には無用な力は入れずにおきながら腰周りはしっかりとしています。 足技には応用が効き、肩の力は抜きながらゆるやかに動かし、肘にはスナップをきかせ、指先まで技の意識を届かせる、といったことをめざします。

これらがうまくまとまれば…
 ”気”「心の安定」 ”意”「こうしようとする動きへの思い」”体”「ボディーコントロール」この3つが互いに協調したものが太極拳の特徴です。

中華人民共和国になってから、太極拳をもっと多くの国民にわかりやすく簡単にできるように国家体育運動委員会にはたらきかけ、各種ある多くの太極拳運動を編集しまとめました。 この「套路(型)」が比較的に日本でも普及している「簡化24式・48式・88式太極拳」などです。そして更に「太極拳競技套路」を創り、42式総合太極拳、陳・楊・呉・孫式の型を創りました。 この近年では中国武術協会は更に簡単な8、16、32式太極拳を加えて、武術段位制度を始めました。太極拳という運動の趣深いことは、中国大陸が育んだおおらかな発想、豊富で独特な味わいに歴史ある深奥な哲学が配合することで、人々の心と身体に良好な作用をもたらします。 今やこういった運動は世界中に広まり、更に多くの人々にも喜ばれ、愛されるようになり健康増進に役立っています。

 

〇武芸

 

”武”の意味について

”武”という文字の本来意味では、表意文字で表されるところで2文字、「戈」と「止」で成り立ち、その意を示している。
前者の「戈」は長い棒の先に刃物がついた形をしている代表的な古代軍事兵器であり、それを多くの兵士が持ち、上下と左右から進軍をする時に、攻撃で威嚇を行いながら進んで来る、中央には「矛」が正面に向かってやって来る。

その「戈」を如何に「止」留めさせられるかの思考や実践が”武”の意識を表し、進軍に向けて相対する戦術を取るか、和睦を取るか、その時は自軍の構成人員、自国が後々にどのような扱いを受けることになることの覚悟も踏まえて結ぶかの手腕や知性教養が必要になる。

和睦にも、当時の古代中国の戦国時代などでは相互に平和的な解決を図る、ということは稀で難しく、どちらが優位か、どうか、優勢が取れなければ、すぐ様に一戦を交えることになることも少なくなかった。

兵士によっては、投降して敵軍に寝返るようなことも多くあり、それらを見込んで軍事活動での、示威行為や威嚇表明を行うことも珍しいことではなかった時代であり、軍師や将軍では「戦う」か「非戦」かでの判断が自分のみならず自国の歴史ある王朝の滅亡を招くことも多々あった。そのことゆえに”武の精神”は高度に心身感覚も武芸も、多くの文化教養が求められたのである。

 

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太極拳八法
一動全動 節節貫穿 一気貫通

 

 十要:虚霊頂勁、含胸抜背、松腰、分虚実、用意不用力、上下相随、内外相合、相連不断、動中求静。

 

太極拳の武術的特徴として、とても幅広い動作の応用方法があり、それは一拳種の中で「文化的特徴」が備わっている。

 

それは「太極拳文化」における精神性、動作原理、武術的用法があげられる。

 

その中で「勁:けい」(力の流れる道筋)における、動作原理での「実感」「判明」「「確信」」「理解」を体得し、実践していくことが長く、太極拳運動における進化を目指すことでは、最も重要な意識感覚となる。

 

打手歌 王宗岳

 

掤捋擠按 須認真、上下相隨 人難進。 任他巨力来打我、牽動 四両撥千斤。

 

先ずは姿勢について「身法十要」

 

提起精神 虚領頂勁 沈肩墜肘 手与肩平 含胸抜背 

気沈丹田 松腰松胯 尾閭中正 胯与膝平 立身中正 

 

(※これが、不足したままだと、自分自身の太極拳での進化を感じることができず、「偏差」と呼ばれる妄想・空想的で精神面も動力面でも、不自然な意識を高めてしまう太極拳をする人が出てきてしまう理由が判る。そういった太極拳になってしまうと、精神的、肉体的にも不合理になることを本場の中国武術界は厳しく戒めている)

 

太極十三勢「太極拳八法、掤、捋、擠、按、採、挒、肘、靠」

 

「歩法五種、進、退、左顧、右盼、中定」

 

(あるいは 進、退、右顧、左盼、中定)

 

の中で、太極八法で「勁:けい」(用法のための動力の道筋)と4つ12種類です。

 

掤(ポン)、捋(リュー)、擠(ジー)、按(アン)、采(ツァイ)、挒(リエ)、肘(ジョウ)、靠(カオ)の8技法

 

掤(ポン)は、撥ね返す感覚での、弾力のある「勁:けい」」

 

捋(リュー)は、相手からの攻め技を、立円、横円、斜めの円を用いて流す「勁:けい」

 

擠(ジー)は肘から手首までの前腕部分に意識を置き、技を受けながら攻守の逆転を計る展開のために用いる「勁:けい」

 

按(アン)は、掌で片手、あるいは両手で押さえながら行う「勁:けい」

 

采(ツァイ)は、指先を使って相手の手首や肘などを掴む動作での「勁:けい」

 

挒(リエ)は、技への展開を計るために、バランスを崩すために行う動作での「勁:けい」

 

肘(ジョウ)は、相手との近距離で肘からの攻めを行う動作での「勁:けい」

 

靠(カオ)は、肘を用いるよりも更に近い距離にあった場合に肩の前部、あるいは後部から攻めを行うための「勁:けい」

 

これが太極八法での「勁:けい」であり、

 

化(ホヮ)の、勁では、2種類。

 

「粘勁:ねばり強く、離れずに接すると勁」と「走勁:力の流れに従って動いていく感覚の勁」

 

発(ファー)の勁も2種類。

 

「引勁:相手が動かない場合は引いて導き、相手からの押されて来た場合は押される力に弾力を以て引きながらも防御のための勁」

 

拿(ナー)の勁では、「拿」という言葉で表現してあるように「拿捕」という言葉での拿であり、ある一瞬間に動きを捕らえる意識での勁」

 

提(ティー)が、起勢で用いる基本での「勁:けい」は、両手の甲の部分を意識して下から上へ、内在意識でも動力を用いるのが、「勁:けい」

 

沈(シェン)は、掌、肘、肩、腰、膝、足の裏へ、上から下へ沈むように下降していく「勁:けい」となります。

 

「先有柔、先有松、才有剛、才有硬」「松、活、弾、抖」

 

太極拳技法は大架(行架)と小架(用架)とで練功方法と意識は異なる。

 

用架には、解招と推手とある。

 

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〇養生・体育

 

伝統中国養生法と現代スポーツ体育との区別

伝統中国古典文化である養生運動、そこから生まれた導引術や五禽戯太極拳の功法は今や世間一般に広まっているスポーツ体育項目とは、原則的に一線を画します。一部の武術拳種や太極拳項目では「競技部門」を設け、現代スポーツ体育の一面を有しますが、その存在理由としては、発展や繁栄を目指すための一つの動機づけ・モチベーションを上げていくために特に若者や、長く行って来たベテランとの切磋琢磨の機会として行っていることである。

 

伝統的養生運動と現代スポーツ体育項目との差異の特徴は、

先ず、現代スポーツ体育項目は1,競技会活動重視、2,各々の人体機能向上の極限までの挑戦、強度の高い筋力増加、3,現代医科学の視点から見る、運動力学の研究、解剖学、怪我をした際の治療方法や、復帰方法のリハビリテーションやトレーニング理論の重要性が高まる、3,パワーアップの為の訓練重視、4,全身を駆使したテクニック技法の研究。

 

伝統的養生運動では、1,中国古典思想哲学に基づき、「天人合一思想」重視、”過ぎたるは及ばざるが如し”にみられる超過活動は奨励しない。3,深奥で長く歴史ある伝統中国古典思想の哲学や医学からの基礎を重視。4,内外兼修:人体の内部、外面の合わせた修練方法を四季折々の中で繊細なまでに実践を行う。4,形式方法は多くあり、多彩に行える。 

 

内外兼修での考え方と実践方法には「陰陽五行説」「周易八卦学説」があり、実践方法の基礎になるものは「臓象学説」「経絡学説」「性命学説」「精、気、神:三宝学説」「気血津液学説」「天人相応学説」などがある。

 

 

<健身気功理論 天人合一思想>      
気功という概念は比較的新しい言葉であり、歴史的文献に出てくるものは、荘子の刻意篇にある「導引」「吐納」とよばれる「術:方法:手段」のことでした。
そして大切なことですが正しく行うには易経から作られた暦の自然法則に合わせて行っていく必要があります。

 

これは今の日本ではほとんど知られていないことですが、2020年現在で今から148年前の西暦1872年の12月3日に大隈重信の発案で、福沢諭吉と共に行ったのが、明治の改暦でした。


ここにあっては現行から見れば功罪があり、今現在便利になった日本国家の西洋化へ力を入れ、それまで最近の2010年には遷都710年から1300年でイベントのあった平城京の建設にも取り入れられてきた易経から始まる暦の1300年の歴史の叡智を捨ててしまったことでした。

 

当時は国民に教え知らされぬまま、今日まで教育の中からは旧暦として外され、改暦による西洋でのカレンダー・スケジュールを中心に西洋から位置的に離れた日本の地で政策がどんどんと進められました。


その結果は明治時代より、150年経った今日にて、世間一般の人々の多くは季節の中での自然を感じて愛する風習を忘れ、富国強兵の名の下に日本全土を近代の西洋化を図り、インフラ設備の強化で、コンクリートですべてを地上の多くを固め、あたかも人々の心をも固められてしまったのです。


今は便利な時代になりましたが日本の西洋化はひと段落して黄河文明から続く北東アジアが数千年かけて創り上げたその叡智とわざをとり戻すべき時代がきていると思います。
(※厳密にいうと中国黄河流域で生まれた易と、位置的には東南方向にある日本にアレンジされたものとは若干差異がありますのでここでは日本の暦の観点からご紹介いたします)

 

吐納導引之術と五調の法

中国伝統医学の気功運動療法には五大功法というものがあります。

1、吐納 意識呼吸法 
2、導引 導気令和 引体令柔
3、瞑目 閉目
4、存想 存思
5、内丹 周天功法

この5種類すべてができると体調不良の人が多い中でも心身共に好調になり、ありとあらゆる意味で身体感覚の差が大きくなり、当然仕事でも生活でも実力を発揮できるので大事なことです。
(不調であれば好調な人との差は大きくなるばかりになり、本格的な寒気・暑気のピークに達する時期には、また更にその身体感覚差が大きくなります)

中でも導引の技術では外導・内引がとても大きな効果があり、その意識としての得気法としては、

以意領気:心を穏やかにして脳から意識したはたらきで体内のすみずみにまで流れを良くし心身がきれいな河川のような透明感のある流れる体感を得られるようにします。
以意引気:内引において意識する動作でエネルギー循環を高めることです。
以左治右:左を以って右を治す。 
以右治左:右を以って左を治す。
という方法です。

そして、五調の法。
調心:(脳)心を整える。
調意:上半身・下半身の身体バランスを意識的に調える、調身、調形。
調気:(息)呼吸を調える、 調息。
この三調を通じてから、

調理:身体運動器におけるすべての理を正す。
調和:心身のすべての和合の感覚を得る。

という五種類の調えられる実践方法において心身の防衛体力の良好な継続維持を図り活気を内面から引き出していくことで日頃の生活の充実感を得ることへ繋げられます。
日本ではまだあまり知られずに、こういった具体的な功法を理解して正しい技能ができる人はほとんどいませんが、今年もまた皆さんにこの実践を通じて漢方薬と同じように長い歴史のある伝統中国のわざをお伝えしたいと思います。
しかし、今よりも遙かに不便で物のない時代でも、こうした「わざ」で心身の健全さを確認し維持してきた技能:功法はすばらしいものだとこの時期には改めて実感します。

 

「三調の功法:調息、調身、調心」自身で正確な身体姿勢を整える方法。

呼吸運動:調息 意識呼吸(口と鼻を使う4種類)

全身運動:調身 立式、座式、臥式

意識運動:調意

     動功 導引 五禽戯 太極拳 少林拳系武術拳種など
     静功 調心 立式、座式、臥式の実践。

 

呼吸運動:気

全身運動:力

意識運動:意

 

「気」→「力」→「意」→「気」→「力」→「意」

 

 

 

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教育

 

中国武術理論

 

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起承転結


ユネスコ無形文化遺産に認定を受けて登録を機会に、しっかりと発展の軌道に乗せる。

 


太極拳文化の関係、プロセスを知り太極拳教育活動を推進する。

 


今の世界、日本を見てみて、各々が感じること、世界文化になった太極拳の源流中国を知り、今世界が求められていること、日本国内の実情と、今後の行うべきこと、を考え、より良い方向性に向かって努力邁進する。

 

神奈川県太極拳連合会、運営主管を執る、横浜武術院の拠点、横浜市上海市は友好都市関係があり上海武術界とは1985年から2020年で35年間の交流活動が続いており、歴史長き太極拳文化を横浜から発信して普及を行い続ける。